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文学部須藤茂樹教授監修の図録「三好賢古 近代阿波の住吉派(発行:東福寺)」が発刊されました

2025年07月30日ニュース&トピックス

文学部須藤茂樹教授監修の図録「三好賢古 近代阿波の住吉派(発行:東福寺)」が発刊されました

三好賢古(みよしよしひさ)は、江戸末期の阿波国板野郡勝瑞村(現板野郡藍住町)に生まれ、阿波藩御用絵師の守住貫魚(もりずみつらな)、後に住吉派8代目の住吉広賢(すみよしひろかた)の元で学び、住吉派の日本画家として活躍しました。現在のつるぎ町貞光、徳島市、神戸市、東京など各地を遊歴。勝海舟、山岡鉄舟、松方正義とも親交を持ち、高野山で仏教を学び仏画の神髄を極めるなど、大正8年(1919)年に80歳で没するまで精力的な活動を展開しました。賢古の第二の故郷ともされる美馬郡つるぎ町貞光に所在する五剣山宝光院東福寺には、寺院所蔵の文化財を展示する東福寺美術館があり、多くの賢古の作品が所蔵されています。


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このたび、東福寺様と四国大学 学際融合研究所(新あわ学研究部門 プロジェクトチーム代表:須藤茂樹文学部教授)の連携事業として、近代日本の画壇を牽引した郷土ゆかりの画人・三好賢古の功績を再発見し、美術史の視点での地域活性化を目的とした標記図録「三好賢古 近代阿波の住吉派」が発刊されました。
本図録は、賢古の作品を中心とする50点以上の写真に加え、「東福寺住職 沖田憲信氏」、「東福寺美術館長兼名誉住職 沖田定信氏」、「須藤茂樹教授」による解説文が掲載され、A4判・フルカラーの見ごたえのある一冊となっております。

【問い合わせ先】
つるぎ町東福寺 0883622207
四国大学文学部 日本文学科 日本文化史・博物館学研究室[須藤] 0886659546


【文学部 日本文学科 須藤茂樹教授のコメント】

かねてから、地域の幅広い方々が一体となった地域美術史の研究推進が地方を元気にする処方箋なのではないか。四国大学のような地方の総合大学が「地域の知の拠点」として期待されているミッションではないかと考え、院生・学生たちを引き連れて様々な地域で活動しています。

このたび発刊の図録は、三好賢古の諸作品をはじめ数多くの文化財の所蔵保管に努められている東福寺様を発行者とし、私たち四国大学も研究所主管の「近代徳島の文化遺産の保存・継承 ―つるぎ町東福寺所蔵三好賢古書画作品の調査―」プロジェクトチームとして連携し、調査・記事の執筆・編集と幅広い業務を担当しています。

博物館学芸員の卵としてプロジェクトチームに加わった院生・学生には、今回のプロジェクトが実は十数年間にわたってあたためられ、多くの方々の期待を背負った取り組みであったこと、1冊の図録発刊の裏に非常に多くの方々の協力や理解があり、フィールドワークは現地の方々との信頼関係や連帯の上で成り立つものであることを理解してもらえたと思います。今後も地域の歴史・文化の魅力を発掘し、地域を元気にする人作りに繋がるフィールドワークを推進して参ります。

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