外国人留学生にも優しい介護過程

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本学では、これまでICF(国際生活機能分類)の理論及び、解釈・関連づけ・統合化にて課題の抽出、介護計画立案を行ってきました。しかし、課題の抽出や介護計画などの作成に苦労することが多く、実践に至らない内に期限が迫る学生もあり、学生からは「アセスメントが難しい」「介護過程が分からない」などの声がありました。
学生は要介護高齢者と関わることはもちろん、高齢者の多くの病気や障害による心と身体の変化を見聞きすることも初めてです。臨床経験の不足により情報の解釈・関連づけ・統合化が難しいと感じるのも否めません。
そこで、経験や熟達力の不足を補い、経験の浅い学生や外国人留学生でもスムーズに介護の必要度を見つけやすい、介護福祉実習に関する記録様式を紹介します。

各種様式の活用ポイントはこちらからご覧ください。
また、「介護福祉実習(参加)記録様式」「介護福祉実習(総合)記録様式」は、こちらから一括でダウンロードすることもできます。

1.介護福祉実習(参加)記録様式

介護福祉実習(参加)では、未経験の学生が利用者の生活や健康状態などを観察しますが、何を観察すればよいのかがイメージできず、介護過程の最初のステップが踏み出せないことがありました。
そこで、本学では、観察項目を標準化した「津田式ケアプラン」の介護職のチェック項目を活用することとなりました。
今回ご紹介する「全体像シート」は、認知症介護研究・研修東京センターが開発された「C-1-2心身の情報(私の姿と気持ちシート)」を引用させていただいております。
また、課題分析を進めるにあたり、課題を整理するための「課題整理表」とその記載留意点を明記した様式を作成し、「介護計画書」は、計画期間の目標は最大3か月程度ですが、20日間の実習期間内での目標となることも考えて立案するようにします。

使用する記録様式及び記載例、留意点等
  1. 介護のチェックリストの目的とチェック項目及び観察時のポイントについて
  2. 介護のチェックリスト
  3. 介護のチェックリスト記載例
  4. 全体像シート
  5. 全体像シート 留意点
  6. 介護課題の整理表
  7. 介護課題の整理表 留意点(科目担当教員作成)
  8. 介護計画書
  9. 介護計画書 留意点(科目担当教員作成)

介護過程(基礎)記録様式活用後の担当教員からの感想

ogurasensei.jpg介護福祉実習(参加) の記録様式を変更して・・・
学生の反応は「今まで使用した様式と比べて、情報収集しやすくなりました。」という言葉が聴かれました。留学生も、分からない文字・語彙を調べさえすれば情報収集できるツールのため介護過程の展開がスムーズになっています。今までは、情報収集のところだけで実習日数が半分費やされる学生もいたため、介護過程の一連のサイクルの実際について学びを深めることができています。

四国大学短期大学部人間健康科介護福祉専攻 准教授 小倉 和也

2.介護福祉実習(総合)記録様式

介護福祉実習(参加)での学びを経た後の介護福祉実習(総合)では、「自立度アセスメント表」「日課アセスメント表」を用いて、利用者の状態を把握し記入します。特に「自立度アセスメント表」は、サービス実践前と計画実施後の変化をとらえるためのダブルチェックを実施し、該当率をグラフで可視化するなど変化を捉えやすくしています。また、介護福祉実習(総合)でも「全体像シート」を使用し、それら結果により課題を分析し、「介護課題の整理表」を用いて課題分析を行います。
「介護サービス計画書」を作成する際は、手段や場所、用意する物品、利用者への説明、実践内容及び利用者の反応や効果等の具体策を明確にするための「介護実施記録表」を用います。
現在、これらの記載様式を用いて本学学生や外国人留学生が課題分析しており、丁寧に分析できていると実習担当の教員からの評価を得ています。

使用する記録様式及び記載例
  1. 自立度アセスメント表・日課アセスメント表の手引き
  2. 自立度アセスメント表
  3. 自立度アセスメント表 記載例
  4. 日課アセスメント表
  5. 日課アセスメント表 記載例
  6. 全体像シート
  7. 介護課題の整理表
  8. 介護サービス計画書
  9. 介護実施計画書

介護総合演習(総合)記録様式活用後の担当教員からの感想

sekimotosensei.jpg介護過程で留学生が課題となっていたのが、①アセスメントからの解釈・関連付け・統合化と課題分析、②計画立案から実施前後における利用者の"変化"をどう観ていくか、この2点でありました。介護福祉実習(総合)では、「日課アセスメント表」により、日常生活の状況を1枚のシート(表)で整理することができ、観察等による見落としも備に確認できます。実習のカンファレンス時に実習指導者と学生が情報共有しやすく、スーパービジョンも実施しやすいと思いました。
また、「自立度アセスメント表」は、利用者の自立度が計画実施前後で棒グラフに表記されることから、利用者の"変化"を客観的に視覚化することができます。これは実習終盤にて、計画実施内容における検討が容易に行うことができ、実習における振り返りと深い学びに繋がっていると思いました。

四国大学短期大学部人間健康科介護福祉専攻 講師 関本 睦

3.実習先での実習指導者の方へお願いすること

本学では、実習で使用する様式が変更したことをご理解いただくよう、実習先の指導者の方へ以下の内容をお伝えするようにしています。

  • 「自立度アセスメント表」「日課アセスメント表」の記入については、学生が利用者様の状態について十分把握できていないこともありますので、不正確なチェックにならないよう、ご助言・ご指導をお願いいたします。
    また、不明点や把握困難なことについて質問した際も同様にお願いいたします。
  • 「介護課題の整理表」の学生が考える課題へのご助言をお願いいたします。
  • 「介護実施計画書」を学生が立案しますので、内容をご確認いただきご承認・ご助言をお願いたします。

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その他、介護福祉実習での「日々の実習記録」様式等も改良し、実習先の指導者様にご負担をかけないよう変更しております。これらの点を十分にご理解いただき、ご意見やご助言をお願いいたします。


              四国大学短期大学部人間健康科介護福祉専攻 教授 津田祐子

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